瀬戸内海の島々で開催される 現代アートのイベント『瀬戸内国際芸術祭2022』 。
私は春会期の期間中に直島と犬島へいってきました!
今回は岡山から犬島への行き方や、犬島精錬所美術館や島内に点在する家プロジェクト作品についてまとめていきます。
コンテンツ
瀬戸芸期間限定運行の両備バスの直行便で座ったままラクラク。
小型船に乗って10分ほどで到着!
細い路地が入り組んだ集落に点在する作品を徒歩で鑑賞。
おしゃれなお店でスパイスカレーをいただきます。
廃止された製錬所の遺構を再利用した美術館。異世界を感じさせる廃墟も見もの!
精錬所美術館を通り抜けて海岸や集落をめぐりながら散策。
帰りも同じ連絡船でさようなら。
再び両備バスの直行便に。おつかれさまでした!
岡山駅を起点に犬島に行くには、岡山市東区宝伝にある港から定期船に乗る必要があります。
そのため、まずは岡山駅から宝伝(ほうでん)へ移動します。
宝伝までは以下のような方法がありますが、今回は両備バスが運行している岡山駅~西宝伝の臨時直行バスを利用しました。
- 臨時直行バス (JR岡山駅10番乗り場~西宝伝)
- JR+路線バス (JR岡山駅~JR西大寺駅~西宝伝)
- 自家用車・レンタカー (宝伝港の駐車場が利用可能)
臨時直行バスに乗って1時間弱で西宝伝バス停に到着しました。
この臨時直行バスは瀬戸内国際芸術祭の会期中を中心とした臨時運行便なので、毎日は運行していません。両備バスHPで事前に必ず運行スケジュールを確認しましょう。
10:45頃に西宝伝のバス停に到着し、徒歩で宝伝港へ向かいます。
バス停から港までは徒歩2,3分ほどで、1本道ではないのですが、芸術祭ののぼりが立っていたのですぐにわかりました。
犬島までの片道運賃は大人400円、子供200円で、現金で前払い。
犬島までの所要時間は10分ほどと、すぐに到着しました。
犬島に到着したら、まずは左手に見える黒い建物「犬島チケットセンター」に向かいます。
ここでは、犬島精錬所美術館や家プロジェクトを鑑賞するためのチケットを交換します。
特に犬島精錬所美術館のチケットは、美術館内では購入ができず、このチケットセンターでしか入手できないので、到着したら必ず訪れるべき場所です。
お土産の購入や食事もここでできる便利な施設でした。
チケットセンターを出たら、先に家プロジェクトをめぐりました。
家プロジェクトとは、島に元からある家屋を利用して、建物の空間そのものを作品として展示するものです。
日本家屋が並ぶ集落の小路を歩いていると急に現代アート作品が現れるという面白い経験ができます。
一つ前の写真にも写り込んでいる荒神明香の作品。
大小さまざまなレンズが並んでおり、レンズ越しに集落を覗き込むと、まるで違う世界が広がります。
リオデジャネイロ出身のベアトリス・ミリャーゼスによるカラフルな作品。内側に入って作品を感じることもできました。
建物内いっぱいにひろがる巨大な作品は、名和晃平による2016年の作品。
「生物相」をテーマにビッグバンをイメージして作成されたそう。
アートめぐりの休憩所としても利用できる作品。
屋根の下に入ると、足音や喋り声が東屋の中を反響するように設計されている面白い作品でした。
東屋の中には入らずに外観だけを楽しむ人が多かったのですが、こちらの作品は中で音を楽しむのが魅力の一つだと思うので、訪れた際はぜひ中に入ってみてください。
家プロジェクトを一通り回った後は、古民家カフェの「trees 犬島店」で昼食。
スパイスがしっかり効いたカレーにたくさんの野菜や卵が添えられたチキンカレーセットをいただきます。
海沿いのロケーションや古民家の雰囲気も相まって、素敵な時間を過ごせました。
続いて、犬島精錬所美術館へ向かいます。
この美術館は、近代産業遺構である銅の精錬所施設を保存・再生したものです。
1925年まで稼働していた精錬所が、銅価格の暴により操業停止してしまったもの。
その遺構を太陽や地中熱のエネルギーを利用した建築で美術館として再生し、その中では三島由紀夫をモチーフにした柳幸典の作品などを観ることができます。
美術館内は撮影禁止のため省略しますが、全身で感じることができるインスタレーション作品が複数あり、大満足の鑑賞でした!
美術館内の鑑賞を終えると、周囲に残る犬島精錬所の遺構を見て回ることができます。
犬島の自然の中で劣化しつつもある建物を前にすると、異世界にいるのかと錯覚するようなにも陥ります。
赤黒いレンガはカラミレンガと呼ばれるもので、銅などの鉱物を精製するときにでる廃棄物を固めて作られたものなんだとか。
巨大な煙突を備える巨大な建物は、精錬所とともに稼働していた発電所の遺構。
遠ざからないと視界に全景を捉えきることができないほど大きな建物でした。
わずか100年足らずでこんな姿になってしまった遺構。美術館内の三島由紀夫の言葉を読んでから遺構を観ると、いろいろなことを考えさせられました。
犬島精錬所美術館の遺構をさらに南側に抜けると、海水浴場へたどり着きました。
天気が良いので散策していると、海岸沿いにもアート作品を発見!
瀬戸内国際芸術祭の作品群ではありませんが、散策がてら鑑賞です。
海に面して並ぶ20個の椅子の作品。
大阪芸術大学の学生さんによるものだそうです。
こちらは愛知県立芸術大学の学生さんの作品。
積み上げられた石は亀の甲羅にも見えました。
このエリアには他にもいくつか作品があるので、時間がある方はぜひ訪れてみてください。
島をさらに散策していると、巨大な犬の作品を発見!
<犬島の島犬>という作品で、海の家を犬小屋に見立てて、高さ3メートルの犬の彫像が設置されていました。
港へ帰る途中、神社の前でシャチホコのようなオブジェに遭遇。
島のいたるところに作品があり、歩いているだけでも楽しめる島でした。
ひとしきり島をめぐり、行きと同じ連絡船で宝伝港へ戻ります。
犬島側の設備によるものなのか、往路と違って復路は料金が後払いでした。
また、連絡船の本数が少ないので乗り遅れないようにスケジュール管理には注意が必要です。
港のすぐ横の犬島チケットセンターで時間をつぶせるので、早めに移動しておくのが吉でしょう。
ちなみに犬島からは豊島経由直島行き、小豆島行きの船も出ているので、さらにそのまま別の島へアート鑑賞へ行くことも可能です。
宝伝港へ着いたら、来たときと反対のルートで、東宝伝から臨時直行バスで岡山駅へと戻ります。
臨時直行バスは、連絡船の到着時刻に合わせて発着するようにスケジューリングされているので、宝伝港で時間を潰しすぎないようにして、バス停へ向かいましょう。
帰りの所要時間も1時間弱で、19時にはJR岡山駅へ到着しました。
犬島は、直島や豊島に比べると小さく作品数も少ない島でしたが、作品が密集して設置されている点や精錬所美術館のクオリティが非常に高い点は、他の島に負けず劣らずの素敵な場所でした。